ぺんぎんノート

momoiro_tjのノート (旧:システムオペレータの週末)

有賀夏紀・油井大三郎編『アメリカの歴史』を読んだ

 

 

 

以前『福音派』を読み、アメリカの歴史について興味を持ち、今回読んでみた。アメリカの歴史をさまざまなテーマ、切り口から紐解くような内容になっている。個人的にはやはりアメリカの歴史全般、それと宗教との関わりが気になる点として読み進めた。テーマ別に章がわかれており、各章でテーマごとの切り口でアメリカの歴史を述べており、何度も同じアメリカの歴史を追うことになり、通読するには少々退屈かもしれない。

 

テーマの入り口としては、やはり人種が最大の論点として重点的に述べられていた。人種と一言で言っても、白人黒人、ヒスパニック、アジア系、アフリカ系、先住民などさまざまな視点があることは、今まで意識できていなかった。とくにヒスパニックやラテン系アメリカ人と移民問題については興味深く読み進めた。人種と関係ないと思われる別のテーマ、例えば宗教などのテーマでも、少なからず人種差別や奴隷制度について触れざるを得ない形で触れられており、アメリカ人と人種の問題は根深い問題として捉えられているのだと思った。「アメリカ人とは何か」という問いについては、読み進めていくうちに問題点について考えさせられ、最終的に何によってアメリカ人というのかよくわからなくなった。

 

宗教については、人種問題を考えると様々な宗教が入り混じっているのに、キリスト教勢力が大きな力を持っていることについて、改めてすごさを実感できた。ただ実際のアメリカ人が宗教をどのようにとらえているか気になるところである。実際のところ、日本人にとっての神道のように、「私はキリスト教徒だ」と意識することなく生きているのかもしれない、とも考えられなくはない。無意識下で神の存在を信じているが、日常生活で教会に行くことはめったにないが、クリスマスやイースターサンクスギビングなどの行事は積極的に参加する、というような感じなのかな、と思った。宗教というか国民性の根幹のようなものになっているのかもしれない。そう思うと、日本人にとっての神道や仏教も同様の性質を持っていると思うと、類似点を感じおもしろい。

 

キリスト教を学ぶ上でアメリカという国は知らざるをえないとおもうので、今回本書を読んでよかった。どこかで一度、アメリカの歴史を整理して自らの血肉としたいと思う。

小森裕介『なぜ、あなたはJavaでオブジェクト指向開発ができないのか』を読んだ

 

 

 

BOOKOFFで220円になっていたので購入した。私自身、実務でオブジェクト指向開発を行っていないので、この辺の知識が独学レベルでしかない。クラス図はかけても実装できないし、そもそもクラス図がちゃんとかけない。文法くらいしかわからない。

 

トランプゲームという簡単なプログラムを例に、モデリング、コード、フレームワーク化にいたるまで、具体的な実例を通して説明しているので、めちゃくちゃわかりやすい。最大のメリットは、モデリング(UML)とソースコードの対応がわかることだ。さらにいうと、インターフェースや抽象クラスをどういうときに使うか、具体的なイメージを持てるところだと思う。

 

モデリングではオブジェクト図、コミュニケーション図など、あらゆるUMLを使い順を追って設計の説明をしてくれているので、おそらくこれを読めばJavaでの設計ができそうな気がする。オブジェクトとクラスの違いも分かっていなかったが、本書で何となくイメージをつかめたと思う。ただ改めて、オブジェクト指向開発では要件定義のフェーズがめちゃくちゃ重要であることを理解した。何がやりたいか、が明確でなければオブジェクトもクラスも作ることができないと思う。

 

値上げ前に駆け込みで購入したAstah*を活用できていなかったが、これを気に使ってUMLで設計をやってみたいと思う。

土岐健治『はじめての死海写本』を読んだ

近代最大の考古学発見と呼ばれるらしい。キリスト教についてなにか一端でも知れればと思い読んだのだが、少し様相が違った。平たく言えば最古の聖書であり、古い聖書といえば旧約聖書なのである。旧約聖書ユダヤ教聖典であり、キリスト教ユダヤ教の異端として端を発している。よく考えれば当たり前だが、本書はキリスト教というより、ユダヤ教についての内容となる。ことさらに、クムラン教団と呼ばれるユダヤ教の一派、またはエッセネ派とよばれる教団についての記述がほとんどである。それはそれでユダヤ教とは何か、興味を持って読み進めることができた。

本書はどちらかというと死海写本を考古学的また解読の研究成果について詳しく述べられている。私が不勉強なのかもしれないが、聖書の聖典から外典、偽典などあらゆる聖書についての用語、研究で用いられる聖書の用語や略称が用いられているため、全く聖書に関心のなかった人が読むには一苦労すると思われる。また、これは著者の好みや流派の問題だと思うが、分かりやすくしようと、難解な単語などにやたら括弧書きで注釈を入れている。一文の途中で注釈が割り込むため、非常に読みにくいと感じた。巻末にまとめるなどしたほうが読みやすかったのではないだろうか。

ユダヤ教については、ほぼ知識ゼロだったので、ユダヤ教の略歴について書かれている章は非常に興味深く読み進めることができた。ユダヤ教といえば、バビロン捕囚やモーセ十戒などが有名なので、なんとなく律法に従い粛々と生きている集団のように思っていたが、マカベア戦争やユダヤ戦争など数多くの戦争を行い、またトップである祭司の世襲問題など、西欧の歴史にあるような、生々しい歴史が結構あることに驚いた。どこかでユダヤ教の歴史についてまとめたいと思う。ローマやアレクサンドリアなどとのつながりもあるため、そのへんから調べる必要がありそうだが。

死海写本とは何か、中二病くすぐられる名前だが、死海周辺で見つかった最古の聖書(旧約聖書)の写本の集積だといえば、ずっと理解できる。特別何か新しい内容が書いてあるわけではなく(もちろん従来にはない部分もあるだろうが)、あくまで聖書の写本である。死海写本のすごさを理解するにはまず旧約聖書新約聖書について深く知る必要がある。聖書も仏典くらい様々な書物がある。これもどこかで知る機会があればうれしい。

さいごに、本書は古い内容なので現代では研究が進んでいるかもしれないが、死海写本の研究が進んでいることを祈るばかりである。

今橋朗・徳善義和『よくわかるキリスト教の教派』を読んだ

本書はAmazonで検索すると1996年出版と、2017年出版(新装版)の2種類がヒットする。 私は古本で安く済ませたかったので、1996年出版のものを読んだ。 おそらく新装版のほうが最近の教派の状況についても記載されているのかもしれないが、 まあ大筋は変わらないだろう、と考えている。

200ページ未満で、本文が140ページほど。前半が教派の紹介、後半が著者二名による対談となっている。 また資料と索引も豊富で、巻末には教派の系譜図もついている。もっぱら教派の資料集という感じだった。 本文は2日で読み終わり、いまブログを書いている。早い人だと数時間で読み終わるだろう。

少し前に読んだ『福音派』でキリスト教の教派に興味を持ち、本書を手に取った。 momoiro-tj.hateblo.jp

文字が大きくページ数も少ないが、教派ごとの特徴が簡潔に述べられておりわかりやすかった。 プロテスタント主流派・福音派という分類については述べられていなかったのが残念だったが、 メソジスト教会アドベント教会等、名前は聞いたことあるが どういう教派なのかわからないものについて知れてよかった。

イギリス国教会または聖公会は、世界史で習うとあまり目立たないが、 意外とイギリス国教会から端を発する教派がいることに驚いた。 メソジスト教会などは最たる例だと思う。

ただ本書で各教派にどういう特徴があり、どのくらいの勢力なのか を完全に理解することは難しい。例えば細かい教義の差などはわかりづらかった。 そのあたりは自分で調べたり、神学的な知見をもって理解する必要があるだろう。

日本の教派にも言及されており、意外とよく聞く大学などが キリスト教系のミッション大学であることに驚いた。 遠い国の話だと思っていたが、結構身近にキリスト教はあることに気づいた。 もう少し勉強して、教派ごとにどういう特徴かを人に語れるくらいになりたいと思う。

川北稔『砂糖の世界史』を読んだ

京都の秋の古本まつりで、ネット上でしばしば話題になる本書を手に入れたので、早速読んでみた。

岩波ジュニア新書だけあって文字サイズは大きく、一文一文が優しい口調だった。普通の新書に読み慣れると、逆に読みづらいと感じることが多々あったが、あとがきにあるねらいにそって記されているので、あたかも世界の歴史を一本の線にそって歩いてきたかのように感じられ、ネット上で称賛されているように世界史の入門書としては評価されて然りだと思った。

砂糖というテーマであるから故か、貴族などの生活だけでなく、当時の一般市民の生活まで高い解像度で示されていて興味深かった。世界の歴史としては、特に奴隷制度の歴史に関わるので南北戦争キング牧師などの関わった公民権運動などの理解の助けにもなった。最近で言うと『福音派』での人種隔離政策についてなどともつながりを感じられた。

古代、中世の人々の生活の指針としては、まず宗教があり、次に生活があると思う。なので、個人的には宗教について歴史を紐解くことが世界史理解に必須だと思うが、砂糖などの食べ物など文化の変遷について追うのも面白いと思った。

加藤昭吉『計画の科学2』を読んだ

『計画の科学』の続編であり、大規模プロジェクトなどの実際の計画やプロジェクト管理に焦点を当てた内容となっていた。中にはPERT手法の応用的な内容もあり、具体例も多く比較的分かりやすいのではないかと思う。

ただ手法の解説というよりは、プロジェクト管理、大規模プロジェクトの計画に関する思想や考え方について論じている印象が強かった。PERTも、抽象化して考えると、プロセスやマイルストンなどを時間軸と関係軸で整理したものであると捉えており、本書を読むよりはシステム的な思想を学ぶほうが、もしかすると理解が深いかもしれない。

具体例として面白かった点としてNHKでは出演者の出演情報などの情報をコンピューターで管理できるようにするSMARTというシステムがあり、その中にはPERTの概念が反映されているということだ。アメリカのロケット開発やドイツのアウトバーンの建設計画など巨大なプロジェクトが例として多く挙げられているが、そんな中で日本のNHKの例があり、非常に興味深かった。

加藤昭吉『計画の科学』を読んだ

本書らPERTによる計画の手法を説明したものである。PERT基本情報技術者試験などでも問題が出題されるほど有名だと思うが、実際に使ったことはなかったので、具体的な使い方が知りたくて読んだ。古い本なので言葉遣いが古かったり情報や事例も古かったりするが、数学的な説明は少なく平易な言葉で説明されており分かりやすかった。

自分の仕事でも使えるかもしれないと思ったが、1ヶ月程度の案件ではあまり意味がなさそうだとも感じた。なぜなら一ヶ月くらいならクリティカルパス上の作業がほとんどになってくると思うからである。半年や年単位で進めるような大きい仕事の場合には、クリティカルパス外の作業も出てくると思うので力強い味方となりそうだと思った。

また、PERT/COSTなど応用的な使い方については初めて知った。確かにPERTは時間軸でしか考えていないため、リソースの問題は解決できない。PERTでヒト・モノ・カネの資源についても管理できると便利だと思う。また、三点見積もりという考え方も、いままではなんとなくやっていたと思うが、確かに有効な手法である。知らなかったことと言えば、マンハッタン計画などのプロジェクトでもPERTが使われていたということには驚いた。

本書は続編『計画の科学2』が出版されており、そちらも手に入れているので続けて読みたいと思う。